恩田陸/著 「夜のピクニック」を読み終えた僕は、35年前にタイムトリップしていた。
「5月に行われる歩け歩け大会 1年は全員参加だ」
「ういーす」
八王子キャンパスから都内某所キャンパスまで夜通し歩くという実にバカバカしいイベントだ。
しかも寮生の1年は強制参加となっている。
午前0時 八王子キャンパスを出発 5月といっても夜中は肌寒い
始めのうちは、みんなハイテンションで近所迷惑もかえりみずだべりながら歩いていく。
当時は今みたいに24時間営業のコンビニもなく、甲州街道を走る車のヘッドライトが眩しかった。
このまま9時間かかって無事に着きました。
で話は終わらない。
寮の先輩が車に乗ってエアガン片手にやって来たのだ。
チェックポイントが何ヵ所かあり、だらだらと歩いて時間超過は失格となる。
そんな僕らを励ますために優しい先輩たちはやって来たのだ。
エアガンによる威嚇射撃
怯えた僕たちはまた黙々と歩きだす。
時間とともに口数は少なくなり、ペースの落ちてきた僕は、いつの間にか独りぼっちとなっていた。
聞き慣れた地名の看板
夜が明けて明るくなりだした彼方に見えるビル群
ここまで歩いてきた充実感
こうして僕の大学生活は始まった・・・・
あいつ今何してるかな