共学へ通う「チー牛」にとって何と言ってもフォークダンスは、女子とあわよくば合法的に手をにぎれる場である。
まさに共学の醍醐味といったところ。
お目当ての子は、あと何人目だ。 もう少しの我慢我慢
そんな時に限って虚しく曲は終わってしまうもの・・・
県内でも有数の自称進学高に入学した自分は、下心を持ってある部活に入部した。
百人一首部である。
男女比は6:4で女性が多く先輩の顔面偏差値も高かった。
そんな場所に毎日通えるなんて「チー牛」にとってフォークダンス以上の喜びであった。
入部してまずすること。
当たり前だが百種全部覚えること。
しかし競技かるたは、鑑賞するわけではない。一字一句覚える必要はない。
下の句の決まり字までを覚えればいい
先輩による下の句の字札を用いた秘伝の早覚えがレクチャーされた。
しかもマンツーマンである。
「しぇんぱ~い 覚えました」
将来、漫画「ちはやふる」で母校がモデルとして取り上げられ、メジャーな競技になるとは想像もできなかった。
つづく