十人十色の私曲集

ブログはアメリカン

「今のお気持ちは?」

勝負事の勝者にインタビューで使われますが、敗者を応援していた者には聞きたくない話かもしれません。

しかしこのフレーズは、当事者の神経を逆なでするかのように被災した人 被害にあった人に向けて報道関係者がよく口にします。

 

このフレーズを聞くと、私は一枚の写真を思い浮かべてしまいます。

報道とモラルを語るとき必ず取り上げられる写真

「ハゲワシと少女」です。

飢餓のスーダンで痩せてうずくまる子供と、その背後で何かを待っているハゲワシを収めた写真です。

報道写真家のケビン・カーターによって撮られた1994年ピューリッツァー賞受賞作品なので見たことがある方は多いと思います。

 

この写真は悲惨さを伝えるとともに何故写真撮るのに夢中で子供を助けようとしないのかと称賛と批判にさらされました。

 

所詮対岸の火事で「生まれた場所が日本で本当に良かった」と幸福感に包まれてしまう自分は、やはり心の中で呟いているのかもしれません。

「今のお気持ちは?」

 

ケビン・カーターは、ピューリッツァー賞受賞の2ヶ月後に自ら命を絶っています。