1989年 僕は地元の住宅会社へ就職をした。
同期は、自分を含めた新卒者6名であった。
まだバブル景気の最中であったため、内定後に食事会への招待があったりもした。
社宅に入る者、自宅通勤の者、揃って同じ営業所へ勤務となる。
さて入社して早々、先輩から新人研修の話がある。なんでも10日間ほどの合宿研修らしい。
何にも知らない自分は、なんかウキウキしてしまう。
「地球の歩き方」1冊持ってヨーロッパ1ヶ月フリー旅行なるものを卒業前の春休みに経験してきており、また10日間も非日常の生活が送れると思ったからだ。
今考えると、このようなフリー旅行もう怖くてとても出来ません。
当時はそれだけ平和だったんだな。
スーツと最小限の荷物を持参し着の身着のまま会社の人にその施設へと送ってもらう。
同期6名はそれぞれ違う班へ入室となる。
10数名が一班 年齢層も様々いい年のおじさんもいる。
僕たちが受講するのは、管理者養成学校「新兵養成コース」そんなタイトルのコースであった。
「声が小さい! やり直し!」
ヘラヘラしていた自分は、いきなり叩きのめされてしまう。
とにかくでかい声でがならないと、初めの挨拶から何度もやり直しを食らう。
ある意味お決まりのパターンか
ぼそぼそ声があまりにひどい者は、「ベランダに出て外に向かって練習してろ」との命令
練習している彼を見てると、こちらの方が可哀そうになってくる。
こうして地獄の10日間が始まる。
次回へ続く
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